山行概要
目的 | 1年生の登山技術習得と体力錬成、雪上訓練および主稜ルートの経験 |
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山域 | 北アルプス(白馬岳・杓子岳・唐松岳) |
日程 | 2004年4月29日〜5月6日 |
メンバー | 小久保、乙山、北村、三戸呂、齋藤、矢口、高野監督、中澤OB、豊嶋OB、早川OB、加藤OB、田中OB、天野OB、松本OB |
2004年度の新人合宿は、北アルプスの白馬岳を中心に8日間の日程で実施された。1年生にとっては初めての本格的な雪山合宿であり、猿倉から小日向のコルにベースキャンプを設営し、雪上訓練や大雪渓の登高を通じて基礎技術を体得。上級生は白馬岳主稜から杓子岳、さらに唐松岳への縦走といった高度な技術を要するルートに挑戦し、不帰の瞼を含む稜線を経験した。OB陣の手厚い支援と指導のもと、悪天候による停滞日を含めて臨機応変に対応しながら、合宿全体を通じて着実な技術向上が見られた。最終日まで全員無事に下山し、1年生にとって大きな自信となる山行となった。
行動概要
4月29日(木) 快晴
二股(7:45)〜猿倉(10:10–10:40)〜小日向のコル(13:40)
メンバー 小久保 乙山 北村 三戸呂 齋藤 矢口 加藤OB 田中OB
前夜、新宿駅では松本光司OBらの見送りを受け、ムーンライト信州で出発。白馬駅で田中OBと合流し、アルパインホテルで朝食・準備の後、二股へ移動。故梶川OBの追悼を行い出発する。猿倉からは雪上歩行となるが、順調に小日向のコルへ到着。テントとブロックを設営後、田中OBは下山された。
4月30日(金) 晴れ
B.C.(5:10)〜三白平(5:20)
メンバー 小久保 乙山 北村 三戸呂 齋藤 矢口 中澤OB 加藤OB
三白平にて雪上訓練を実施。小久保・北村が1年生を担当し、乙山・三戸呂は加藤OBの指導のもと上級生訓練。途中でメンバー交代を行い、効率的な学習を図る。帰幕途中で中澤OBと合流。テントを安定させるため3回張り替えを実施。夜には豊嶋OBが入山された。
5月1日(土) 快晴
<本隊>
- CT:B.C.(5:02)〜白馬岳頂上(10:45)〜B.C.(14:00)
- メンバー:小久保 北村 齋藤 矢口 中澤OB 豊嶋OB
- 大雪渓から白馬岳を往復。雪渓にはデブリも見られたが、全員無事に登頂。稜線上で上級生隊と合流し、記念撮影と校歌の合唱を行った。下山時は緩斜面を駆け下りるようにして戻った。
<上級生隊>
- CT:B.C.(4:20)〜白馬尻(5:00)〜8峰手前(6:30–6:40)〜白馬岳頂上(10:05–10:35)〜本隊と合流(10:40)
- メンバー:乙山 三戸呂 加藤OB
白馬岳主稜を登攀。急斜面やリッジ帯をワンアットで慎重に進み、8峰・2峰・1峰と連続する技術的なパートを通過。特に1峰・2峰では緊張感ある登攀となり、技術訓練としても成果のある山行となった。
5月2日(日) 快晴
<本隊>
- CT:B.C.(5:05)〜三白平(5:15)〜B.C.(12:10)
- メンバー:乙山 三戸呂 齋藤 矢口 中澤OB 豊嶋OB
- 三白平にて滑落停止・グリセード・ターン練習・コンテ確保など、雪上技術の総仕上げを実施。途中から1年生も合流し、全員で帰幕後にテントの張り替えを行った。
<上級生隊>
- CT:B.C.(3:45)〜取り付き(6:30)〜白馬岳頂上(12:00)〜杓子岳頂上(14:00)〜B.C.(18:20)
- メンバー:小久保 北村 松本OB
- 主稜から白馬岳に登頂後、杓子岳まで縦走。視界不良の中、急傾斜や岩稜部をワンアットとメインFixで確保しながら慎重に進んだ。不帰の瞼からの下降では懸垂下降と藪漕ぎが混在し、長時間の行動となった。
5月3日(月) 晴れのち雨
B.C.(6:00)〜樺平(7:40)〜杓子岳(11:55–12:05)〜湯沢下降地点(13:00)〜B.C.(14:50)
メンバー 小久保 乙山 北村 三戸呂 齋藤 矢口 高野監督 中澤OB 豊嶋OB 松本OB
Fix工作隊(北村・松本OB)が先行し、残りのメンバーは遅れて出発。1年生の体調不良によりペースは上がらないが、慎重に通過を重ねる。急な藪地帯ではメインFixを2か所設置。樺平を過ぎても一定ペースで進み、先行隊が整地していた地点でツェルトを張り昼食。
その後、乙山・三戸呂ペアとFix隊がメインFixを設置しつつ杓子岳登頂。稜線では快調に進み、霧の中で湯沢を慎重に下降し、登り返しを経てB.C.帰着。帰幕後に小疇部長・天野OBが入山、追悼式を実施。
5月4日(火) 雨
この日は悪天候のため、出発準備をしたものの終日停滞となった。
朝9:10に天気図を取り、以降は1年生の私物整理訓練を実施。上級生・本隊ともに行動なし
5月5日(水) 曇り
<本隊>
- CT:B.C.(5:05)〜三白平(5:15)〜B.C.(10:00)
- メンバー:北村 齋藤 矢口 高野監督
- 行動記録:
雪がやや硬い中、三白平にて滑落停止・グリセード・自由歩行・ワンアットなど雪上訓練の総復習を実施。10時に帰幕後、テントの張り替えと昼食。訓練終了後に高野監督が下山された。
<上級生隊>
- CT:B.C.(2:58)〜杓子岳(5:55)〜湯沢下降地点(7:00)〜不帰の瞼(9:00–11:00)〜唐松岳(11:55–12:00)〜不帰の瞼(12:45–14:15)〜湯沢下降地点(16:20)〜B.C.(17:50)
- メンバー:小久保 乙山 三戸呂 天野OB 松本OB
- 視界不良の中、杓子岳を経て不帰の瞼に向かい、計5ピッチのFixを設置しながら慎重に通過。唐松岳に登頂後、同ルートを下山。不帰通過後は足の痛みからペースが落ちたが、天狗の頭を越えて気力でB.C.に帰着。松本OBはその後下山し、夜には早川OBが入山された。
5月6日(木) 快晴
出発が遅れたため、梱包訓練を実施してから出発。
雪がやや緩んでおり、1年生は転倒が目立ったが、全員慎重に下る。猿倉台地以降は順調に進み、無事に猿倉へ下山。